学会長挨拶

学会長 土屋 貴男


令和8年度福島県自治体病院学会
学会長 土屋 貴男
公立岩瀬病院 院長

 このたび「令和8年度福島県自治体病院学会」を2026年11月21日(土)に福島県須賀川市のグランシア須賀川において開催いたします。

 本学会のメインテーマは「一に人、二に人、三に人。」といたしました。この言葉は須賀川医学校(現在の福島県立医科大学の前身)に学び、のちに医師/政治家として活躍された後藤新平先生の言葉に、あえて「。」を加えたものです。後藤先生は、関東大震災後、内務大臣兼帝都復興院総裁として帝都復興計画の立案・推進に尽力されました。「災害前に戻すのではなく、災害を契機としてより良い都市を造る」という理念のもと、「大風呂敷」と評されるほどの壮大な構想を掲げ、百年先を見据えて、今日の東京の礎を築かれました。私たちもまた、東日本大震災から15年の歳月を重ねました。復興への歩みは今なお続いておりますが、過去を振り返るだけではなく、次の世代にどのような地域を、そしてどのような医療を残していくのかを考え、未来を見据えて歩みを進める時期に来ているのではないでしょうか。

 そして、復興においても、医療においても、最も大切な資源は「人」です。医療を支えるのも人であり、医療が向き合うのもまた、かけがえのない一人ひとりの「人」です。医療者として働く人、病に向き合う人、そして地域で暮らす人。そのすべての人を大切にしながら、地域に根ざした医療を守り、次の時代へつないでいかなければなりません。物価高騰や人材不足など、自治体病院を取り巻く環境は、これまでになく厳しいものとなっています。しかし、困難な時代であるからこそ、私たちは互いに学び、知恵を分かち合い、励まし合いながら、未来に向かって歩みを進めることが大切です。本学会が、日々の実践を振り返り、これからの地域医療を考え、そして何より「人」の大切さをあらためて見つめ直す機会となれば幸いです。

 会場の目の前には、松明あかしの会場となる翠ヶ丘公園がございます。折しも紅葉が見頃を迎える季節です。学会の合間に、秋の彩りを楽しみながら、しばし散策して心を休めていただくのもよいかと存じます。
 晩秋の須賀川市に皆様をお迎えできますことを、心より楽しみにしております。
 多くの皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。