令和３年度 公立岩瀬病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 631 115 143 221 216 263 494 652 538 240
当院では、『患者さん中心の医療を実践し、地域の皆さんに信頼される病院をめざします。』の基本理念の元、地域医療への貢献を目指しています。当院入院患者の年齢構成は、地域の高齢化率を反映して70歳以上の患者が多い一方で、分娩と小児科を取り扱っていることから10歳未満の患者も多くなっています。当院が地域の小児医療、周産期医療、高齢者医療それぞれにおいて、重要な役割を果たしていることが伺えるデータとなっています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 61 31.95 17.35 3.28% 87.16
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎-手術なし-処置2:なし 34 30.56 20.57 8.82% 85.50
060340xx03x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 27 12.89 9.21 0.00% 70.07
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 24 12.88 13.91 8.33% 63.46
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎-処置2:なし-副病:なし 24 8.58 5.53 0.00% 53.67
当院の内科は循環器内科と消化器内科が中心となっています。当院周辺地域は高齢化率が高く、高齢などの原因から心機能が低下する『心不全』の症例が1位、同じく高齢からの嚥下機能（ものを飲みこむ能力）の低下を起因とする誤嚥性肺炎が2位となっています。また、消化器内科では内視鏡による治療を積極的に行っており、『胆管（肝内外）結石、胆管炎』が症例数も上位にきています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎-処置2:なし 104 8.05 5.95 0.00% 1.37
0400801199x00x 肺炎等（1歳以上15歳未満）-手術なし-処置2:なし-副病:なし 72 6.72 5.76 0.00% 1.99
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（出生時体重2500g以上）-手術なし-処置2:なし 57 4.70 6.13 0.00% 0.00
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎-処置2:なし-副病:なし 42 5.83 5.53 0.00% 3.90
040100xxxxx00x 喘息-処置2:なし-副病:なし 37 7.73 6.24 0.00% 4.05
当院の小児科は１位が肺炎、２位がウイルス性肺炎、4位にウイルス性腸炎となっており、小児の感染症に対する治療が中心になっています。また、平成29年度に産婦人科病棟を開設して以来、新生児に関する疾患が上位となり、令和3年度も3番目に多い症例になっています。小児は大人に比べ回復が早い傾向にありますが、症状の悪化で早急の対応が必要な状況の場合も多々あります。当院ではそのような状況でも対応できるよう医師・看護師含め体制を整えております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア（15歳以上）-ヘルニア手術　鼠径ヘルニア等 129 4.02 4.74 0.00% 69.10 鼠経ヘルニアパス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患（胆嚢結石など）-腹腔鏡下胆嚢摘出術等 42 5.98 6.25 0.00% 59.05 腹腔鏡下胆嚢摘出術パス
060020xx99x0xx 胃の悪性腫瘍-手術なし-処置2:なし 34 18.50 10.44 0.00% 77.00
060150xx03xxxx 虫垂炎-虫垂切除術　虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 29 4.55 5.40 0.00% 37.69 腹腔鏡下虫垂切除術パス
060035xx010x0x 結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍-結腸切除術　全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-副病:なし 28 21.75 15.76 0.00% 74.64 大腸切除術パス
当院の外科は、腹腔鏡での手術技術が高いことが特徴であり、腹腔鏡手術の指導医・認定医が複数名常勤しています。腹腔鏡での手術では傷も小さく、開腹手術より術後回復が早いとされています。症例上位のうちヘルニア、虫垂炎、胆のう結石などほとんどが腹腔鏡での手術を行った症例となっています。また、大腸癌、胃癌、肝癌、膵癌などの悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を積極的に実施しております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術　肩、股等 52 42.58 25.32 34.62% 83.62 大腿骨骨折観血的整復術パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）-手術なし 27 36.82 19.34 3.70% 78.11
160760xx97xx0x 前腕の骨折-手術あり-副病:なし 17 6.12 4.99 0.00% 49.18 手首の骨折パス
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼-骨折観血的手術　鎖骨、膝蓋骨、手（舟状骨を除く。）、足、指（手、足）その他等 16 22.69 18.36 0.00% 52.19 足関節の手術パス
160980xx99x0xx 骨盤損傷-手術なし-処置2:なし 14 32.36 19.02 7.14% 78.71
高齢者は、骨密度の低下により骨折に対するリスクが高く、高齢化率が高い当院周辺地域でも大腿骨頚部の骨折による手術と胸椎・腰椎の圧迫骨折の症例が多くなっています。また、当院の整形外科部長は足部・足関節疾患が専門であり、足関節・足部の骨折が上位の疾患となっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 42 1.14 2.44 0.00% 33.12 子宮内容除去術パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍-子宮全摘術等 25 9.80 9.46 0.00% 45.76 子宮全摘パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術（腟式を含む。）　腹腔鏡によるもの等 25 5.44 6.11 0.00% 49.44 子宮・付属器手術パス
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病-手術なし 22 2.91 5.37 0.00% 31.55
120165xx99xxxx 妊娠合併症等-手術なし 21 6.67 11.16 0.00% 30.00
正常分娩は医療保険を使用した入院とはカウントされないため、流産に伴う入院、妊娠糖尿病など妊娠合併症に伴う管理入院や異常分娩が必然的に上位疾患としてカウントされます。また、婦人科疾患では、子宮筋腫や卵巣腫瘍による手術入院などが上位の疾患となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり 41 2.00 2.50 0.00% 70.34 前立腺生検パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 30 11.00 13.14 6.67% 75.13
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術　経尿道的手術-処置2:なし - - 7.02 - - 経尿道的膀胱腫瘍切除術パス
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患-体外衝撃波腎・尿管結石破砕術（一連につき） - - 2.59 - -
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患-手術なし - - 7.36 - -
当院泌尿器科では、前立腺癌が疑われる患者さんに対して、前立腺の細胞を採取する前立腺生検に伴う入院が最も多い症例となっています。また、腎盂腎炎や膀胱炎などの尿路の感染症疾患や膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術（TUR-Bt）の症例、尿管結石の治療など、泌尿器や男性生殖器の治療を行っています。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 20 1 12 22 9 52 1 8
大腸癌 17 20 20 12 17 80 2 9
乳癌 12 7 5 1 1 2 1 8
肺癌 0 0 0 3 2 3 1 8
肝癌 0 1 0 2 9 15 2 6
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
当院は消化器内科、消化器外科の専門医多く在籍し、胃や大腸など消化器系の癌を中心に診療しています。当院では、癌治療のガイドラインである癌取扱い規約にのっとり、手術や化学療法、緩和ケアなどを患者さんの状態に応じて実施しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 6 12.83 55.00
中等症 41 26.02 81.32
重症 9 16.33 87.22
超重症 3 41.67 89.00
不明 - - -
成人の市中肺炎（病院外で日常生活をしていた人に発症する肺炎）の重症度を表しています。当院の特徴として、重症度が上がるにつれ平均年齢も上がっているため、高齢者の肺炎が重症化しやすいかが伺えます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 15 33.27 80.53 31.25%
その他 1 10.00 73.00 0.00%
当院での脳梗塞は高齢者が多く見られます。当院には脳神経外科がないため、手術を行わない保存療法が中心となっており、開頭手術が必要な症例は、対応可能な医療機関に紹介しています。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 45 1.89 4.89 0.00% 65.76
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 20 2.15 14.75 0.00% 74.90
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍胃粘膜） 14 1.00 8.14 0.00% 74.14 内視鏡的胃粘膜下層剥離術パス
K6852 内視鏡的胆道結石除去術（その他） 14 3.79 9.00 0.00% 74.21
K6871 内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみ） etc. 14 3.57 13.71 0.00% 71.07
当院内科で最も多いのは腹水濾過濃縮再静注法（CART ）という治療で、これは肝疾患により貯まった腹水を濾過濃縮して、がん細胞や細菌を除去し、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収する治療法です。また、内視鏡による治療を多く実施しており、内視鏡を用いたステント（閉塞した部位を広げるための管）の留置や胃や大腸のポリープの切除、胆管にできた結石の治療を行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術（仮死第１度） 11 0.00 7.09 27.27% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術（仮死第２度） - - - - -
K653-3 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 - - - - -
出生時に子宮内環境から子宮外環境に移行する過程で、種々の原因から呼吸不全（低酸素）に陥ることがあります。これを新生児仮死といい全出産の約10%に起こります。新生児の状態をアプガースコアという指標により評価を行います。その合計が10～7点を正常、6～4点を軽症仮死（第1度仮死）、3～0点を重症仮死（第2度仮死）とします状態の悪い赤ちゃんには、直ぐにのどや気管にたまっている羊水を吸引したり、酸素を吸わせたりなどの処置を行います。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側） 96 0.94 1.79 0.00% 64.16 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 59 1.73 3.97 0.00% 58.98 腹腔鏡下胆嚢摘出術パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 42 0.74 2.71 0.00% 66.36 鼠径ヘルニア手術パス
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの） 30 0.67 2.97 0.00% 39.00 虫垂切除手術パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 25 3.96 20.24 0.00% 71.84
当院の外科は、腹腔鏡での手術技術が高いことが特徴であり、腹腔鏡手術の指導医・認定医が複数名常勤しています。そのため、上位のうち4項目が腹腔鏡を使用した手術となっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（大腿） etc. 42 1.86 41.93 42.86% 82.76 大腿骨骨折観血的整復術パス
K0462 骨折観血的手術（下腿） etc. 21 1.76 16.57 4.76% 41.52 下腿骨骨折の手術パス
K0483 骨内異物（挿入物を含む）除去術（下腿） etc. 21 0.91 2.76 0.00% 44.48 プレート・鋼線抜去パス
K0811 人工骨頭挿入術（股） etc. 20 2.40 31.85 10.00% 78.10 人工骨頭置換術パス
K0463 骨折観血的手術（鎖骨） etc. 12 1.00 8.17 0.00% 52.00 鎖骨骨折手術パス
骨折観血的手術（大腿）および人工骨頭挿入術（股）は主に大腿骨頚部骨折に対して行うもので、これは高齢者が転倒・転落した際によくみられる骨折です。当院周辺地域医では高齢化率が高くこの症例が多く見られます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9091ｲ 流産手術（妊娠１１週まで）（手動真空吸引法） 41 0.02 0.07 0.00% 33.51 子宮内容除去術・流産手術パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 30 1.10 3.30 0.00% 47.73 婦人科　腹腔鏡手術パス
K861 子宮内膜掻爬術 24 0.17 0.50 0.00% 50.58 子宮内容除去術パス
K877 子宮全摘術 22 1.36 7.82 0.00% 50.23 子宮・付属器手術パス
K867 子宮頸部（腟部）切除術 16 1.00 1.00 0.00% 44.88 円錐切除術パス
妊婦さんにとってはつらいことではありますが、自然流産は10～15％の確率でおこる、比較的多い症例です。その原因のほとんどが赤ちゃんの染色体の異常と言われています。流産の際、妊娠に伴う組織が子宮の中に残ってしまうことがあり、そのような際は手術を行い、排出をはかります。また、婦人科疾患に対する手術として、良性・悪性疾患を含めて子宮および子宮附属器に対する摘出術を多く実施されています。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 3 0.09%
異なる 15 0.43%
180010 敗血症 同一 4 0.11%
異なる 19 0.54%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 2 0.06%
180040 手術・処置等の合併症 同一 1 0.03%
異なる 1 0.03%
播種性血管内凝固症候群（DIC）は感染症に合併することが多く、全身の血管内で血栓ができる病態です。 敗血症は、血液が細菌に感染し、全身に炎症を起こす病態です。 DIC、敗血症の診断をする場合、血液データや全身状態により判断します。抵抗力が落ちている小児・高齢者は重篤になると生命が危険な状態になる場合もあります。手術・処置の合併症には、術後の出血、創部感染、縫合不全などがあります。一定の確率で起こり得るものですが、発症が最小限になるよう努める必要があります。 当院では、2次的におこりうる術後の感染症予防対策や院内感染対策として、感染対策チームによる巡視や手洗い調査や勉強会を行い、院内全体で感染対策への意識を高める取り組みを行っています。
更新履歴
2022/9/12
令和3年度　公立岩瀬病院　病院指標を公表いたします。